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創刊準備号

美をつくるセンパイ女子を突撃! ホンネインタビュー

2013年11月04日 04:00 by shiawasenamida
美をつくる仕事に携わるセンパイ女子たちに、美について、仕事について、ホンネで語っていただきます。
創刊準備号の今回は、このウェブマガジンの発行元であるNPOしあわせなみだ理事長の中野宏美さんに緊急インタビュー。
 

性暴力はあなたの隣にも!?


しあわせなみだは性暴力をゼロにするために活動するNPOということですが、性暴力ってそもそも何でしょうか?

性暴力とは、誰かが「イヤ」と言えない性的接触のこと。具体的には「レイプ/強かん」「わいせつ」「DV(デートDV)」「セクハラ」「ちかん」「性虐待」「セクシュアル・マイノリティに対する差別や偏見」などが性暴力と言われます。詳しくはしあわせなみだのウェブサイトに書いてあるので、ぜひそちらをご覧ください。

性暴力と言うと、言葉の響きからして怖そうだし、ちょっと近寄りがたいと感じる人が多いと思うんですが、実はけっこう身近なところにあるんです。自分には関係ないと思っていたら、家族や友だちが実は性暴力に遭っていたなんてこともあるかもしれません。


自分の想いと社会の課題がつながった


どうして性暴力というテーマを選んだのですか?

学生時代に福祉を学んでいたんですが、その実習先で暴力に遭って施設で暮らしている方と出会ったことがこの活動をはじめるきっかけでした。安全・安心の場であるはずの家庭が暴力の場となることに強い衝撃を受けたんです。それから友だちがDVに遭ったりもして。そのときは何もできなくて愕然としました。

それからしばらくは性暴力について具体的な活動をしていたわけではないのですが、あるときテレビで年越し派遣村と出会ったんです。曲がりなりにも福祉を学んできた自分が何もしないで、福祉以外を専門にやってきた人のほうがよっぽど人に寄り添う活動をしている。そしてそれが社会に大きな動きを生み出している。私はいったい何をやっているのだろうと思いました。

そして性暴力に遭った方が実名と顔を出して体験をつづった書籍と出会って、自分がそれまで思っていたことと、社会の課題がつながりました。「これは私がやらなければいけない」。そう思ってしあわせなみだの活動を始めました。



就活は挫折だらけ

大学時代はどんな学生でしたか?

学生の頃は、「大学生の時しかできないことを満喫しよう」とバイトも恋愛もたくさんしました。失敗もいっぱいあったけど、今ではいい思い出です。"いい思い出”と言えるようになるまでには時間もかかりましたけどね(笑)。それと学ぶことの楽しさを教えてくださる先生との出会いのおかげで、勉強もいっぱいしました。大学時代の経験が、今の自分につながっています。

もともと社会福祉士として働きたくて、資格の取れる学校に進学しました。でも、その資格を取得するために行った実習先で「あなたは福祉に向いていない」と言われてしまって。「何のために進学したんだろう」「この4年間は無駄だったのか」と悩みました。
福祉を通じてこの社会をもっとよいものにしたいという想いがあったので、就活では社会福祉に関する政策立案に携わろうと総研を希望したんですが、それもあえなく全滅。それならば現場から発信していこうと、介護会社の企画部門に就職しました。

そして今、「しあわせなみだ」を通じて、スキルを持った人をコーディネートして事業を実施したり、イベントを開催したり、自治体調査に関わったりしています。
ずいぶん回り道をして、時間もかかったし、学生時代に思い描いていたカタチとはかなり違いますが、結果的にやりたいことができていて、本当に感謝しています。以前は「こんな仕事ムダだよー」とうんざりしていたものが今すごく役に立っていたりもして。何ごともすべて自分の実となることを実感しています。


ビヨウのチカラ

美容のチカラで性暴力に遭った方を輝かせる「Beautiful Tears」という事業に取り組まれていますが、美容にはそれだけすごいパワーがあるのでしょうか?

みなさんはどんなときにメークをしますか? 「デートで可愛くみせたいとき」「就活でスーツを着るとき」「メークをしないと外出できない」。いろいろな意見があると思います。

でもメークをすると、テンションが上がったり、気合が入ったり、自分に自信が持てたりしますよね。そんなふうに、美容は内面に作用します。普段は部屋に閉じこもっている方が、メーク講座の何時間も前から会場で待っている。普段はほとんど会話のない方同士が、メーク講座の時にはお互いに褒め合って、その後も一緒にお出かけするようになる。暴力的な男性ばかりと出会ってきた方が、男性の美容師さんにヘアカットしてもらって「暴力を振るわない男性もいるんだ」と人を信じるきっかけになる。美容にはそんな力があります。

メーク講座で初めてお会いしたときには、ほとんどお話をしない方がいました。たまに言葉を発しても否定的な単語のみ。表情や反応も乏しく、手もなかなか動きません。好きな色を選ぶこともできず、ただ時間を過ごしているだけという状態。それが講座への参加を重ねるうちに、どんどん変わっていきました。表情が柔らかくなり、こちらからの問いかけに少しずつ応えてくれるようになっていくんです。手つきもどんどん慣れてきて、アイラインやブラシなどの細かい動きもできるようになりました。好みや要望を持てるようになり、自分から好きな色を選ぶ姿も見られるようになりました。先日、その方が笑顔で話しかけてくださったんです。これは本当に感激しました。


自分を大切に、前を向いて


普段の生活のなかで大切にしていることはありますか?

よく性暴力に遭った方に「自分を大切に」と伝えているのですが、私は自分にかなり無頓着なので「これではいけない」と基礎体温を測るようになりました。どんなに忙しくても、自分のためだけに毎日必ずこの時間を割く。たった3分ほどですが、とても大切にしています。
基礎体温を測るようになってから、心身のリズムが把握できるようになり、「だからこんなにイライラするんだ-」とか「今絶好調!」とかが、とてもよく分かります。さらに、ものすごく不順だった生理周期が規則的になって、自分で自分を認識する効果を実感しています。


中野さんが考える美しい人ってどんな人でしょうか?

前を向いて生きている人ですね。


読者の大学生女子たちにメッセージをお願いします!

たたけよ、さらば拓かれん。

 

中野宏美(なかの・ひろみ)
特定非営利活動法人しあわせなみだ 理事長。
1977年東京都生まれ。東洋大学大学院社会学研究科修了。社会福祉士。
友人がデートDVに遭ったことをきっかけに、できることから始めようと決意。
2009年、「2047年までに性暴力をゼロにする」ことを目指して「しあわせなみだ」を立ち上げる。
2011年にNPO法人化。「Beautiful Tears~性暴力等に遭った方を美容の力で輝かせる事業~」は、2011年に開催された「女性デープレゼンコンテスト」で、「女性デー特別賞」を受賞。

◎しあわせなみだ公式サイト http://shiawasenamida.org/
◎しあわせなみだブログ http://blog.canpan.info/shiawasenamida/
◎中野宏美ブログ http://ameblo.jp/nakanohiromi/

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